北海道遠征 – 2 リンゴシジミ

北海道で第二の目的はリンゴシジミ。リンゴシジミは幼虫がかわいい色をしているようで、採卵用の母蝶採集が目的です。Yuさんからポイントを何カ所か教えていただき、グーグルストリートビューでも確認し、準備万端。そのおかげで、1日目にあっさり雄が採れましたが、1頭だけで時間切れ。ポイントには踏み跡がくっきりついていて、大昆の方も来ていました。様子がわかったので、次の日に再訪。めでたく複数雌が採れました。雄は午後になると、陽が当たる梢を縫うように翔びまわり、なかなか止まりませんが、コースが決まっているので、採集できます。雌を採集するには、雄が徘徊するスモモの枝先を軽く叩き、翔び出させます。注意するのは、元気よく翔び出るのは雄。雄の方が良く目立つので、そちらに目が行ってしまい、ふらふらと薄暗い場所へ翔んでいく雌を追えません。近くに止まることもありますが、結構遠くまで行ってしまうので、注意していても見失います。写真は近くに、かつ見やすい場所にとまった雌です。その後、違うポイントでも成果を上げることができ、Yuさまさまでした。リンゴシジミの綺麗な雌を採ったのは48年ぶり。1973年、川湯温泉から屈斜路湖へ出るまでの道沿いにスモモが点々と有り、O君と樹をペシペシと叩きながら採集しました。特に屈斜路湖へ出た角の農地跡のスモモにたっくさんいた記憶があります。今回、リンゴシジミって、こんなに採集しにくい蝶だったかな?と感じました。多分、単に眼が悪くなってるだけ。

北海道遠征 – 1 ジョウザンシジミ

北海道採集旅行から帰還しました。第一の目的は摩周湖の青いジョウザンシジミ、できれば母蝶採集も。滞在4日目にやっと晴れ、ラッキーなことに雌雄とも採集できました。羽化間もない雄は、翅表は青く、裏面は白が鮮やかなので、ジョウザンというよりもルリシジミ系の蝶が翔びたったように見えました(写真1)。さすがに雌は写真の雄ほど鮮やかなブルーは出ていませんが、帰宅後、早速採卵用にセット(写真2)。薄日の中で、もう数卵産んでいます。エゾノキリンソウだけでなく、吸蜜用に黄色い花が咲いたタイトゴメを入れていますが、その茎にも産卵しました。タイトゴメもベンケイソウ科キリンソウ属なので、まあそうだわな、という感じ。ジョウザンも累代できればと考えています。

2021リュキュウウラナミジャノメ

今年も師匠に幼虫をいただきました。なかなか年越しはできていませんが、第3化とかは出してみましょう。明日から1週間、北海道遠征するので、これも師匠にいただいた大型の飼育箱に、ササガヤを瓶差しにして幼虫を移しました。瓶ではなく、プラカップですが。

散歩の途中に

雨があがったので、はなちゃんを散歩に連れ出しました。道脇のエノキの葉先にゴマダラチョウの幼虫がいました(写真1)。お尻の方には、まだ雨水が溜まっています。こんなところまで雌が翔んできているんですね。ちなみに工事現場の脇です。一つでは寂しいので、もう一つ幼虫を探しました。こちらは簡単に見つかりました。ナミアゲハの幼虫(写真2)。綺麗な柔らかい葉が揃う頃には、幼虫になっている蝶もいろいろいます。

ユキワリツマキチョウ羽化

ユキワリツマキが羽化しました。親のクモマツマキチョウやツマキチョウと違って、ユキワリツマキは年内に羽化する方が正常に翅が伸展します。ユキワリツマキ製作法について、ハンドペアリングによる採卵だけでなく、正常に羽化させるための方法を越後の名人が報告されています(越佐昆虫同好会報 121: 43-47 2020)。今回のユキワリツマキは私自身ではハンドペアリングがうまくいかず、卵を名人から送っていただきました。今年もクモマツマキ、ツマキの蛹を確保したので、来年もハンドペアリングを試みてみます。

低温処理したシルビアシジミ

予想外にたくさんの卵をいただいたので、揃って蛹化した日に、蛹の低温処理をしてみました。このブログでも何度も紹介していますし、処理の詳細は季刊ゆずりはNo.81, p23-25, 2019を参照ください。5℃、2週間の処理で、黒斑が消失した個体がでました。写真は雄ですが、雌の方が斑紋変化が起きる頻度が高いようです。九州のこの産地では、特に変わった紋は出ませんでした。

キマダラルリツバメ 2021-2

兵庫県低標高地のキマダラルリツバメ、2戦目。今回はトラ型が目標。現地へ着いて一回りし、休憩後、もう一度出かけようとすると、木陰で話をしているおじさんたちがいました。近づくと見慣れたMさん、Oさん、そして初対面でしたが、地元の主のTさん。こんなところで合うとは・・・ とはいえ和歌山であったり、福島で会ったりしていますが。今シーズンの成果や近況をひとしきり、ゆっくり話しました。キマルリの活動時間帯は夕方なので、今日のように好天の日は午後4時以降でないと、効率の良い採集ができません。近くの別のポイントも教えてもらって、それぞれの採集場所へ散会しました。いい時にいい人たちに会えました。キマルリの方は、雄は擦れた個体が混じりますが、雌は羽化最盛期と思われ、交尾個体も見つけました(写真1)。ケヤキの葉上で休んでいるトラ型を見つけ慎重に採集しました。写真2の左側の個体は通常型、右側がトラ型の雌です。

ウラキンシジミ羽化

チョウセンアカシジミの蛹を探していて偶然採れたウラキンシジミが羽化しました。雌です。最近は九州産の裏面が黒っぽいウラキンシジミを見慣れているので、新潟のウラキンはかなり明るく感じます。農家の裏手の垣根のようなトネリコで蛹が採れたので、意外でした。ウラキンを初めて採集したのは伊吹山でした。草原に出る前の樹林地帯で、森の奥の方に止まったのを、継竿を横に伸ばして採りました。関西では低山帯のトネリコで発生していますが、それでも一応『山』です。農家の裏手で夕方、群飛しているのでしょうか?