ウラギンスジヒョウモン

ホシチャバネセセリのいる草原で、今年は珍しい蝶景を見ました。ウラギンスジヒョウモンの吸水集団(写真1)。ウラギンヒョウモンは普通に見られますが、ウラギンスジはほとんど単独でしか見られません。こんなに多数を同時に見たのは初めてです。ここに網をかぶせても、取り込むまでに翅が傷んでしまうので、写真だけにしました。また別の場所では草叢に潜るようにして多数の雄が群れていました(写真2)。写っていない奥の方にも、隠れていて、執着しているのは一点ではなく、周辺にモワっと集まっていました。周りを翔んでいる個体もいて、なぜ集まっているのかわかりませんでした。

長野のホシチャバネセセリ 2

ヒメヒカゲ母蝶の時期はホシチャバネセセリも盛期です。しばらく休憩してからホシチャバネを本格的に探しました。北富士では草原へ入らないと見つからないと聞きましたが、ここでは歩道の脇でテリトリー活動をしている個体をよく目にします(写真1)。岡山や加賀でもそうですが、細い通路の脇に止まっていることが多い気がします。翔びたつと見失ってしまうので、見つけたら慎重に近寄って網をかぶせます。前にも書きましたが、近づいて逃げられる前に、こちらが先に発見することがホシチャ採集のコツです。セセリチョウは押えるまでに鱗粉が落ちやすいので、ネットに入ったら三角紙へは取り込まず、フィルムケースへ納めます。写真2は百均の保温袋、凍らせたペットボトルとフィルムケースの小型蝶用キャリーセット。フィルムケースには番号を付けとかないと、どれに入れたかわからなくなります。

ヒメヒカゲ母蝶

先日下見に行ったヒメヒカゲ母蝶採集の本番。天候が安定しなかったで、数日遅めです。お天気は良かったのですが、発生場所が絞り込めず。なにせ写真1のような、広ーい草原です。ススキが茂っている所はダメそうと判るのですが、草丈が低い場所は点々とあって、結局、ここだというポイントは見つけられませんでした。ぐるぐると歩き回って翔んでいるのを見つけた雌を何とか確保して帰りました。帰りがけに日影で休んでいるとジャノメチョウが汗を吸いにやってきました。疲れてグテグテになり、殺気が消えていたようです。

高山蝶 2022

毎年夏のメインイベント、新穂高へタカネキマダラセセリを採りに行きました。結論からいうと、タカネキマダラは盛期を過ぎていました。戻り梅雨で、カラッと晴れる日を待つうちに、期を逸してしまいました。いつものポイントで4雄見ましたが、全部スレ、雌は残念ながら出会えず。はぁ、気が抜けてしまいました。タカネキマダラを待っていても、出てくるのはほとんどがコヒョウモン。たまにクモマベニヒカゲ、ベニヒカゲが出てきました。写真1は蒲田右俣滝谷手前の谷です。この谷も草付にはタカネキマダラがいるはずです。この辺りではベニヒカゲが発生する頃には、タカネキマダラの適期は過ぎています。写真2は右俣のクモマベニ(上段、左が雄、右は雌)とベニヒカゲ(下段)。ベニヒカゲは後翅の赤紋は小さく、地味な個体群です。今回ベニヒカゲは発生初期の雄だけでした。

イワカワシジミ蛹化

イワカワシジミの蛹化が始まりました。孵化してから19日、室温飼育です。1頭の幼虫にはクチナシの実が最低3個必要です。終齢になると糞の量が多いので、毎日掃除が必要でした。写真1はクチナシの実にイワカワ幼虫が開けた潜入口の大きさの比較。左から終齢初期、終齢後期、前蛹時。蛹になる時に出口をぐりっと広げて、綺麗な正円ではなくなります。蛹を採集するときの目安になりますね。まあ、そもそも野外では穴の開いた実を見つけるのに苦労しますから、選んで実を取ることはまずありませんが。写真2は実を開いて蛹を写しました。

長野のホシチャバネセセリ

ヒメヒカゲと同様、フライングかとも思いましたが、ホシチャバネセセリも目的で出かけました。世界陸上ではフライングは1回で失格になっちゃいますが、私は何度フライングしたか覚えていません。ヒメヒカゲの帰り道で草原を探します。広大な草原ですが、少しだけある木々の近くで採れることが多いと思っています。咲いている花々もチェックしていきます。コキマダラセセリ(写真1)はたくさんいましたが、お目当てのホシチャはなかなか見つかりません。いそうなところを行ったり来たりして、やっと2頭だけ、採れました。2頭目は出会って話をしていた蝶撮影の方が見つけてくれました。出たての新鮮な雄で、満足。スマホで写真がとれたのは、コキマダラセセリ以外では樹液に集まっていたウラジャノメ(写真2)。ヒメシジミはまだ綺麗な雄がいました(写真3)。

長野のヒメヒカゲ

師匠からヒメヒカゲ母蝶のご要望があり、下見に出かけました。下見とはいえ、あわよくば新鮮な雄を採っちゃおうと。朝9時から草原へ入って、登山口というか、山へ取り付く入口を探しました。昨年は草叢をがむしゃらに突っ切って、山頂近くまで行ったのですが、雷が鳴って退却。結局今年も正しい?登山口は見つからず、スキー場跡に建っているポールを目印に、藪こぎしました。しんどい!! 薄曇りだったので、まだ良かったのですが、日が照っていたら、さらにきつかったでしょう。中腹に設置された看板を読むと、昭和の初期、にぎやかなスキー場だったようです。今は一面の草原で道も定かではありません。で、肝心のヒメヒカゲ。結構広範に歩いて、、おりました。新鮮な雄を捕獲して帰りました。雌はまた今度。

ユキワリツマキチョウ羽化

天候がなかなか安定せず、線状降雨帯があちこちに豪雨を降らせています。祇園祭の効果もなく、京都も災害の恐れがある大雨。家でじっとしています。恒温器の中で、ユキワリツマキチョウが羽化しました。今年は新潟県産のツマキ雄、クモマツマキ雌の掛け合わせです。前翅中室の黒斑が大きく目立ちます。越後の名人に卵をいただいて飼育しました。蛹化2~3日後から50日間、5℃保管。その後17℃の恒温器で羽化待ちしました。羽化までの保管法も名人の検討によるものです。今日は無事に2頭が羽化。この時期にAnthocharisを目にすると、爽やかな涼風のような気分です。

イワカワシジミの幼虫

師匠から卵をいただいたイワカワシジミが成長し、中齢になりました。クチナシの実の脇にびっくりするくらいの糞が・・・ しかも青みがかっていてエグい。上の実から下の実に移動して、大量に食べたみたいです。クチナシの実は乾燥して栗きんとんの黄色付けに使いますが、生だと青系の色素があるようです。そうか、それでイワカワ成虫裏面の緑色なのか!? 他の容器で移動中の中齢幼虫を見つけました。幼虫の手前がお尻です。これまた優雅な成虫に比べて、うーーん、かわいくねえ。

長野日帰り採集 3 (完)

霧ヶ峰高原から松本市内へ。時期的にかなり早いのですが、ムモンアカシジミがもうでているのではないかと思いました。発生場所に着いて、以前から把握している発生木を長竿で叩いてみました。何も出てきません。正午を過ぎてかなり蒸し暑い時間帯。ムモンアカは暑い時に、下草に降りていることがあります。眼で探します。道沿いの涼しそうな木陰をそろそろと歩いて、、見つけました。この1頭だけでしたが予想通り発生していて、うれしい。この後、オオイチモンジでもいないかと、山間部の林道へ行ってみましたが、ミスジチョウに驚かされただけで、さすがにオオイチは出てきませんでした。キバネセセリ(写真2)をいっぱい見て帰りました。