春めく

久しぶりに少し暖かいです。庭の雑草取りをしました。昨年種が弾けたキケマンの小さな芽がいっぱい出ていますが、残念ながらウスバシロチョウの卵はありません。オオイヌノフグリやタネツケバナがあちこちの隅に咲いています。大きな鉢植えのミモザは派手に咲いています(写真1)。脇のプランターにトゲトゲの幼虫が・・・ツマグロヒョウモン、こんな大きな姿で冬越しできたみたいです(写真2)。蚊帳の中のクロツバメシジミの幼虫は暖かいとツメレンゲの上に出て食事しているので、簡単に見つかるようになります。終齢(写真3)が多いのですが、中には2齢と思われる小さな幼虫もいて、越冬齢数に相当幅があるようです。

触角用テープ

雨模様で外へ出られず、気分が下がり気味。クモマツマキチョウが羽化せず、累代がもうダメなようです。ハンドペアリングもできず、下がる要因の一つです。三角紙を折ったり、触角用のテープを切ったりして過ごしています。展翅テープはNRC社の半透明テープを使っていますが、触角用は売っていないので、自作です。アゲハチョウからゼフィルス用には75g/m2のトレーシングペーパーを25,20,15,12,10,8mm幅に切って使っています(写真1)。ゼフィルスより小さい蝶には40g/m2のトレーシングペーパーを8,7,6mm幅に切っています。小さな蝶は薄い紙でないと、外すときに触角が折れてしまうリスクが増えるので。昨季の展翅品を外していたのですが、湿度が高くなったのでいったん休止しています。注文していた新しい標本箱に移せたのはゴマダラチョウとアカボシゴマダラだけです(写真2)。白いアカボシゴマダラは特定外来生物に指定される前の冬期飼育品。品川区ラベルです。

春のインセクトフェアの案内

令和6年 春のインセクトフェアの案内葉書が届きました。まだ先ですが、3月20日春分の日です。もう1ヶ月ほどで今シーズンの開幕です。今年は3末に奄美大島へ行くので、プロ野球より早く開幕することができます。フェアはどうしようかな。標本箱も注文済みだし・・・   夕刻からの宴会の電話連絡があったので行くことにします。

新しいスマホ用マクロレンズ

以前、百均で入手できるスマホ用マクロレンズを比較してみましたが、いずれのレンズも廃番になってしまいました。今回CANDOで新しいスマホ用マクロレンズを見つけました。以前一番性能が良かった丸七株式会社のものです。いろいろなタイプのスマホに使えるようにクリップからレンズまでの距離を調整できるスライド式になっています(写真1)。試しにクロミドリシジミの卵を写してみました。今までのものと遜色ないと思います。

ギフチョウの羽化準備 2

暖かいです。今後1週間は4月並みの気温の日があるそうです。卵から飼育した庄原産ギフチョウの蛹を羽化箱に出しました。飼育した蛹は素焼きの植木鉢の中で蛹化したので(写真1)赤玉土とミズゴケを敷いた箱に立てかけます(写真2)。羽化箱が並びました。

ツマキチョウが羽化

立春に冷蔵庫から出したツマキチョウの羽化が始まりました。冷蔵庫の中でも羽化の準備が進んでいたので、蛹の中で成体が作られる時の発育零点は10℃以下であることがわかります。ツマキチョウは雌雄とも羽化したのですが、先に色づいたクモマツマキチョウの雄が羽化しません。んーー、昨年は卵の孵化率が悪く、名人の所へ分家させてもらった一部を里帰りさせてもらって蛹を確保したのですが。累代が続いて繁殖力が弱っているのは確かです。今年はツマキチョウと掛け合わせてユキワリツマキの自家作成を予定しているのですが、難しいかも知れません。とりあえず、ナバナのプランターを蚊帳の中へ移して、住処を作りました。

ギフチョウの羽化準備 1

陽射しが春らしくなってきて、もぞもぞ庭へ出ても日中はさほど寒くありません。今日は購入したギフチョウ蛹の羽化準備をしました。ギフチョウの蛹は地面に転がしておいても良いのですが、たまに蛹殻からお尻が抜けずに羽化失敗する個体がいるので、糸の外れていた蛹を水溶性ボンドで爪楊枝にくっつけました。この蛹は多翅脈形質なので、翅がきれいに伸びない可能性もあります。発泡スチロールの羽化箱に敷いた赤玉土すれすれに爪楊枝を刺して蛹を固定し、翅を伸ばすための支え棒を何本か入れます(写真1)。まだ2月上旬なので、羽化には早いのですが、糸が外れた蛹は冷蔵庫に入れていたので、野外の気温で徐々に羽化準備をしてもらうことにしました。今年は広島産のギフ蛹もあるので、もう少ししたら羽化箱がいくつか並ぶことになります。

     ギフチョウ羽化箱

登山靴

採集用具とは呼びませんが、蝶採集に欠かせない、登山靴。標高2500m以上は特別保護区なので山頂を目指して採集に行くことはほとんどありません。でも沢を越えたり、道から外れて森へ入ったりするのに、登山靴が必要です。軽いトレッキングシューズ?でも良いのですが、防水性、グリップ力、耐久性を考えるとやはり登山靴になります。ということで、三宮まで出かけて買って参りました。近くのポルトバザールというアウトレットモールにあった店がモール全体の改修でなくなったので、三宮店まで行かねばなりません。お目当ての靴はこれまでと同じタイプですが、少しずつ改良され、品名も変わっています。お値段も数年前よりお高くなっていました。ただワイドタイプに限り、ボンドが少しはみ出たB級扱い品があって30%引き。アウトレットでも値引き品はないのでお得でした。気に入っている点を4つ。防水性が高い。滑りにくい。長持ちする。靴紐がほどけにくい。靴底もほどよく固く疲れにくいのでしょうが、じいさんなので登りになるとすぐ疲れちゃいます。

軟化展翅

ゆずりはの会の抽選で当たったエゾヒメギフチョウを軟化展翅しました。(写真1);まず湿潤器で固くなった標本を柔らかくします。中敷きを上げ底にしてお湯を入れ、三角紙標本を並べます。2021年の標本なので、1日密閉しておけば、柔らかくなります。(写真2);80℃くらいのお湯に頭だけつけて、触角を柔らかくします。頭部がねじれている場合は頭頂に細い昆虫針を刺し、逆方向に2,3度回転させて、頭が無理なく真っ直ぐになるよう首を柔らかくしておきます。(写真3);前翅と後翅の付け根にまち針を10回ほど刺して筋肉を分断します。表面のキチン質がボロボロになると翅が落ちてしまうので注意。(写真4);ほぐした筋肉部分に水で薄めた水溶性ボンドをまち針で押し込みます。体内にすっと染み込むくらい薄いボンドを2,3回筋内へ行き渡らせるようにつけます。この状態で体を挟んで展翅しようとすると翅は90度以上開いて、楽に展翅できるはずです。展翅板は傾斜のない平板で、透明の展翅テープを使っています。私の場合は触角を別のテープで整形して、完成(写真5)。触角用テープの中央に針が刺さっているのは、2枚のテープを上から押えて隙間を無くし、触角を真っ直ぐ伸ばすためで、展翅の途中は刺さっている場所を柄付き針で押さえて、形を整え、最後に柄付き針と昆虫針を交代させて、押さえていた場所に針を刺して2枚のテープを押し下げます。