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軟化展翅

ゆずりはの会の抽選で当たったエゾヒメギフチョウを軟化展翅しました。(写真1);まず湿潤器で固くなった標本を柔らかくします。中敷きを上げ底にしてお湯を入れ、三角紙標本を並べます。2021年の標本なので、1日密閉しておけば、柔らかくなります。(写真2);80℃くらいのお湯に頭だけつけて、触角を柔らかくします。頭部がねじれている場合は頭頂に細い昆虫針を刺し、逆方向に2,3度回転させて、頭が無理なく真っ直ぐになるよう首を柔らかくしておきます。(写真3);前翅と後翅の付け根にまち針を10回ほど刺して筋肉を分断します。表面のキチン質がボロボロになると翅が落ちてしまうので注意。(写真4);ほぐした筋肉部分に水で薄めた水溶性ボンドをまち針で押し込みます。体内にすっと染み込むくらい薄いボンドを2,3回筋内へ行き渡らせるようにつけます。この状態で体を挟んで展翅しようとすると翅は90度以上開いて、楽に展翅できるはずです。展翅板は傾斜のない平板で、透明の展翅テープを使っています。私の場合は触角を別のテープで整形して、完成(写真5)。触角用テープの中央に針が刺さっているのは、2枚のテープを上から押えて隙間を無くし、触角を真っ直ぐ伸ばすためで、展翅の途中は刺さっている場所を柄付き針で押さえて、形を整え、最後に柄付き針と昆虫針を交代させて、押さえていた場所に針を刺して2枚のテープを押し下げます。

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