メスアカミドリシジミ孵化

メスアカの卵がやっと孵化しました。冷蔵庫から出して10日間も孵化しなかったので心配しました。例年は9月末に卵採集して、すぐに冷蔵庫保管するのですが、今季は12月採卵だったので、冷蔵庫内での冬の期間が短かったためかも知れません。シャーレの蓋を歩き回っていた幼虫を新芽に付けて、丸型シャーレに収納しました。

ネットで購入

捕虫網の枠と継竿を新調しようとネット販売されているものを検索してみました。枠は釣具店で玉網用の安いものが入手できますが、長い竿用の軽い枠となると、こだわりがあります。50cm径で竿への負担ができるだけ軽いものということで、昌栄製の極Ⅱを買うことにしています。Jhosin webが安かったので、これにしました。網の方をいろいろ検索していて、いいものを見つけました。以前蝶研出版が扱い ”鬼シバ棒” と命名されていた2段式の丈夫な竿、というかアルミ製の柄。ギフチョウやホシチャバネセセリの採集時に使っています。ローカルな加西市のエーワンという会社がネット販売していました。2本買えば送料も無料になるようで、即購入したところ、昌栄製でした。やるじゃん、昌栄。しかし、柄2本より枠の方が高価。他に、5mの竿はシマノ製の玉網竿、11mの竿は六本脚で販売している峰天牛という竿を使っています。六本脚では新しく帝王という14mの継竿を販売しているようです。カシワアカが採集禁止になっちゃったので、買いません。

温室の効果

温室、といっても1980円のビニールハウスですが、中にマンサク、クロウメモドキの鉢とミツバツチグリの鉢を年末、入れておきました。食草を早く芽吹かせて飼育を始めるためですが、ミツバツチグリはもう黄色い花が咲いてしまいました。写真の手前右の鉢。手前左の茶色い葉は外に置いていた鉢です。ちなみに左奥はクロウメモドキ。さすがにチャマダラセセリを今、羽化させても寒くて交尾できないと思いますので、蛹を冷蔵庫から出すのはためらっています。チャマダラは飼育して綺麗な春型を出そうとすると、低温で飼育しないといけないので幼虫期が長くなり、手間もそれだけかかります。餌のミツバツチグリももっと増やしてやらねばなりません。クロツバメシジミの累代用にはタイトゴメのプランターが6つあります。累代には手間がかかりますし、ある程度場所も必要です。累代に挑戦するのはやめとこうか。となるとチャマダラと一緒にクモマツマキチョウの蛹も出しちゃうかな。

ベニモンカラス空振り

ベニモンカラスシジミの個人的な新採卵ポイントを探そうとした顛末。記録がたくさんある香美市物部町の中で、行ったことがない南部の林道へ行きました。地理院の地図で道沿いに崖の記号がいっぱいある林道へ向かいました。入口に車を止めて、片道1時間半歩きました。表題にあるように手ごたえなし。最初のうちはツクバネガシやウラジロガシが混ざった照葉樹林で時間を取られてしまいました。奥へ行くと崖はあるのですが、クロウメモドキが生える石灰岩の崖と何となく違う、崩れそうもない頑丈な岩が並んでいます。所々にある石垣には石灰岩らしい岩が使ってあるのですが、行けども行けどもクロウメモドキがありません。これだと思って斜面に必死に取りついても、サクラだったりして、結局1本も見つけられませんでした。キリシマもヒサマツも卵はなく、何もなしで帰るのも癪だったので、徳島県の高の瀬峡に寄って、帰りました。

月刊むし600号

鱗翅学会のやどりがと月刊むし600号が同じ日に届きました。月刊むしは定期購読はしていないので久しぶりに手に取りました。月刊むし600号50周年、私も蝶採集50周年。記事を読むと『虫屋列伝』も『昆虫雑誌から見た日本昆虫界の150年』も、思い起こす場面がいくつかありました。後者の記事の中に『本誌を創刊した団塊の世代以降の約10数年くらいの世代(現在60~75歳くらいの世代)は、日本の昆虫史上でもっとも恵まれた世代と言えるだろう。』とありますが、実際、振り返る機会があるたびに、つくづく実感します。しかし過ぎてから分かったことで、若い時は”大雪山や上高地で採集できたさらに昔”がいいよなぁ! と思っていました。会社でも時代でも中に居る時はわからなかったことが、外に出ると知れる。典型的な凡人ですね。やぁーでも今はいい。こうやって気の向くままブログも書けるし。

雨の日には

久しぶりの本格的な雨で庭にも出られません。ヤクシマルリシジミとクロツバメシジミがパラパラと羽化していますが、展翅は済んでしまいました。道具の手入れをして、新しい用具を調達したいのですが、展示即売会はずっと中止。おまけに緊急事態宣言で店には出かけづらい。まずは今あるものの点検と、消耗品の補充から取り掛かりました。車から離れて山へ入る時に必須なザック。ずっとドイター社のフューチュラを使っています。このザックの特徴は背面にメッシュが張ってあり、背中とザックの間全面に隙間ができること。汗でシャツが貼り付かないので、夏の登山には替えが利きません。買い換えたいのですが、モデルテェンジされていて、同じ室割りや配色のものがありません。この赤にはクモマツマキが反応して寄ってくるので、赤いのを買おうと思ったのですが、新しい型の赤は全部赤なので、デザイン的にNG。背面のメッシュが破れてきたものの、当面旧型を洗濯して使います。

メスアカミドリシジミの飼育開始

カンヒザクラの花芽が膨らんできました。例年のようにメスアカミドリシジミの卵を冷蔵庫から出しました。孵化した幼虫を見失わないように、卵の付いた樹皮を小さく薄く剥がしてプラスチック板の上に貼り付けます。シャーレの中に湿度保持用に丸く切った画用紙を置き、卵を保管します。冷蔵庫から出すとメスアカの卵は2~5日で孵化します。冷蔵庫でも野菜室並の温度だと1月中に孵化してしまうこともあるので、メスアカの卵保管は注意が必要です。

冬の日差し

今日は寒さが和らぎ、日差しが暖かく感じられます。植木鉢のタイトゴメを除くと、クロツバメシジミの幼虫が表面に上がってきています。冬期の幼虫は赤みが強く、今日のような日差しを浴びれば、相当暖まると思います。この個体は終齢になっているようで、親になって暖かい日に翔ぶには、成長が早すぎるようです。室内では13℃で飼育したヤクシマルリシジミの雌が羽化しました。春型の雌のように後翅にも青い鱗粉がのって綺麗です。13℃では青の出方が弱く、ほとんど出ない個体もあるので、以前試した10℃~12℃での飼育の方が、綺麗な青い低温期型が多くなるようです。

イシダシジミ

北海道で思い出したので、イシダシジミ、アサマシジミ北海道亜種の旧称。写真は北愛国、上春別ラベルの標本で、1975年採集です。旧国鉄の線路脇で鼻歌交じりで採集していたのに、今は種の保存法対象種です。まあ “旧” が入る古い話ですが、イシダシジミがたくさん見られたとはいえ、あの頃、手入れが行き届いた草原は線路脇くらいしか残っていなかったのかも知れません。現在、周知の場所でイシダシジミが確実に見られるのは自衛隊の演習地。生息地の保全ぬきの種の保護はあり得ませんね。昨年オガサワラシジミ絶滅?のニュースが流れましたが、環境庁のHPを見ても、どの程度手を尽くしたのか詳細がわからず、自然保護協会HPの苅部治紀さんの解説( https://www.nacsj.or.jp/2020/12/23305/ )を見て、やっとわかりました。でもやはり個人的にはまだ調査したい。

気分は北海道 3 カラフトヒョウモン

北海道にはClossiana属ヒョウモンが3種います。生息地の標高が高い方から、アサヒヒョウモン、ホソバヒョウモン、カラフトヒョウモン。カラフトヒョウモンは、現在数の少ない蝶となっていますが、昭和41年発行の『標準原色図鑑全集1蝶・蛾』の分布の項では”日本では北海道にだけ産し、中部・東部の低山地から山地にかけて各地にわりあい多い”と記してあります。現状、ホソバヒョウモンは山へ入ると容易に出会えるのですが、カラフトヒョウモンは採集しにくい蝶になってきました。低山地の生息地だった草原が減ってきたからでしょうか。山地ではホソバヒョウモンが優勢です。またアサヒヒョウモンは天然記念物、大雪山にしかいないので、手が出ません。写真上段は雄、雌表面の綺麗な標本がないので、裏面だけ。