クロコノマチョウの状況

近くのクロコノマチョウの生息地へ様子を見に行きました。離宮公園でバタフライガーデンを維持管理されているTさんに教えてもらった場所で、家から車ですぐなので重宝しています。ジュズダマの他クレソンやオオバコもいっぱいあるので、蝶の餌用採草地でもあります。ここのクロコノマは多くが蛹になっていました(写真1)。もう羽化した抜け殻も散見でき、秋型の発生は昨年より1週間ほど早いようです。終齢幼虫も少ないながら見られました(写真2)。

クロマダラソテツシジミが庭で交尾

ここ数日、クロマダラソテツの雄が庭に居着いて、千日紅の周りを翔び回っていました。小さな個体でかなり傷んでいますが、他の雄を追い払って占有していました。今日夕方見ると、なんとちゃんと雌を捕まえて交尾していました。花がある南向きの陽当りの良い場所で粘るのは、こういう意味があるんですね。千日紅の花には、クマソ以外にもヤマトシジミ、ウラナミシジミ、茶色セセリが来ています。長持ちして、もうすぐ羽化してくるクロツバメシジミの吸蜜源になるので非常に便利です。

屋久島遠征のおみやげ

タイワンツバメのポイント探しで屋久島南部をうろうろしていました。地図を確認するために道路脇の空き地に車を止めていると、、空き地脇でイラクサのような葉っぱの芽にアカタテハと一緒にとりついている蝶がいました。でかい、黒っぽい??  翅が欠けていない綺麗なリュウキュウムラサキ雌でした。一応採集、持ち帰りました。帰宅後、サツマイモの蔓とヤブマオ(イラクサ科)の葉を入れて、採卵用にセット(写真1)。この採卵用のケージはネットで安価に購入したものです。よく似たものが1000円台だったり、3000円台だったりするので、購入の際はよく吟味してください。母蝶は2日後サツマイモの葉に産卵していました(写真2)。まだ5卵なので、も少し産んでもらいましょう。庭にずっと置きっぱなしでは無く、夕方は取り込んで給餌しています。またアリが入りづらいようにレンガで底上げしてあります。リュウキュウムラサキにしては産み方が優しすぎるようだけど、無精卵は勘弁して欲しいです。

屋久島遠征の間に

遠征している間、飼育途中の幼虫は気がかりでした。ホシチャバネセセリは一部、蛹になっていて、帰宅した日に羽化していました(写真1)。終齢になったばかりで気がかりだったアオタテハモドキは、オオバコの葉をたくさん入れておいたので順調に蛹になっていました(写真2)。ベニヒカゲは根付きのスゲにつけておきましたが、ほとんど成長していませんでした。来年まで世話できるかなぁ。ムラサキツバメはあっさり蛹化・羽化しました(写真3)。そういえば屋久島でもマテバシイの若葉にムラサキツバメの幼虫がついていました。採りませんでしたが。

屋久島遠征 4

屋久島のそのほかの蝶。日程を9月20日前後にしたのは、タイワンツバメの時期に合わせているので、ヤクミ、ワンツ以外の蝶はあまり採る気がなかったということで、最初の屋久島遠征の思い出話を。50年前も9月下旬に屋久島へ来ました。雨が降る中、キスリングタイプのザックにテントを乗せて、荒川のトロッコ軌道を登りました。見晴らしの良い場所に出たとき、目の前を緑色に光る蝶がギューンと横切りましたが、ヤクミのはずは無く、たぶんアオバセセリだったと思います。ルーミスもヤクミ卵も採れませんでした。ヤマキマダラヒカゲは採ったかな。その後、周回道路の方へ出て採集しました。ツマベニチョウ、ミヤマカラスアゲハ、カバマダラなどを採り、尾之間でタイワンツバメも採れました。草叢にいっぱい翔んでいた記憶があります。安房の海岸近くでウスイロコノマチョウを採り、テント泊するつもりでしたが、地元のおばちゃんが家へ招待してくれて、おいしいお刺身の夕食をごちそうになった上、泊めてもらいました。フェリーで帰る時には見送ってもらいました。何年か年賀状のやりとりをさせてもらいましたが、住所ももうわからなくなってしまいました。平瀬のおばちゃん、ありがとうございました。

  路上で吸水するモンキアゲハとミヤマカラスアゲハ
  タテハモドキ夏型

屋久島遠征 3

屋久島行きの第2の目的はタイワンツバメシジミ。屋久島へ採集に来たのは今回2度目。前回は1973年の秋でした。その頃ワンツは、いるところにはいっぱいいた、のですが、いまや屋久島でも採れるかどうか心配な蝶になってしまいました。道路脇の空き地や土がむき出しの荒れ地がなくなり、食草のシバハギの群落が見つかりません。午前中、ヤクシマミドリの採卵で空振りした後、ワンツのポイントを探すのは、なかなか忍耐のいることでした。気落ちしているので、運転していて事故だけは起こさないように気をつけました。湯泊の奥でやっと荒れ地を見つけました。花は咲いていませんがシバハギもあります(写真1)。しばらく草原をバサバサ叩いた後、ススキの上を翔んでいるsmall blueを発見。ワンツの生息地でした。雄は新鮮な個体と少しスレた個体(写真2)が混ざっています。雌を慎重に探します。ススキがかなり繁茂して見づらいのですが、ワンツは低いところでススキの間を縫うように翔びます。雄は青いし、飛翔が活発なのでまだ見えるのですが、雌は黒くて、草叢の上へは出てこないので非常に見つけづらい蝶です。1日目、雌は採れませんでした。2日目はこの荒れ地へ直行し、雌を探しました。やっぱり出ていました(写真3)。シバハギの花は咲いていません。ススキに押されてもうすぐ消えそうです。来年は発生するでしょうか。写真4は1973年の標本、鉛筆で書いたラベル付き。産地は尾之間です。

屋久島遠征 2

ヤクシマミドリシジミの卵を探して、白谷雲水峡付近、紀元杉手前の側道沿いを探索しました。アカガシは標高600mから800m付近まで、ポツポツと分布しています。ただし幼木はないので、大木のひこばえが卵探しの場所になります。ひこばえのある大木はそこそこ見つけられます。しかし卵が見つかりません。樹の脇で卵を探していると、いつの間にかシカが近くにいることがありました。本州と違ってシカ(ニホンジカの屋久島亜種)はのんびりしています。母子でこちらを眺めていたことも(写真1)。また近くでガサッと音がしたので、驚いて横を見るとシカが横切って行きました。白谷雲水峡までの道路ではサルを見かけます。こちらもニホンザルの屋久島亜種ですが、道路上で毛繕いをしてもらっていました(写真2)。車で横切っても、そのまま無視する群れもあります。卵は採れませんでしたが、なんか楽しい山行きでした。参考までに、高標高地は午後になると天候が崩れることが多いので、ヤクミの採卵は午前中の方が良いでしょう。

屋久島遠征 1

屋久島へ行ってきました。キリシマミドリシジミ屋久島亜種:ヤクシマミドリシジミ→ヤクミの卵探しが第一目的。結論から書きますと、完封負け。4日間の午前中、山へ入って探し、1卵も採れませんでした。最初の日にアカガシから卵を1つ見つけたのですが、周りを探しても後が全然続かない。おかしい? よく見ると卵が少し小さいような(写真1)。その後3日間、アカガシ巨木、大木、中木のひこばえを探しに探しましたが、一個も見つからず。写真2の樹を見つけたときには、こりゃ絶対採れる、と思ったのですが、結局ゼロ。小さめの卵は帰ってからルーペで見たらトゲトゲが荒く、やはりムラサキシジミでした。(続く)

大手町インセクトフェア 2023

インセクトフェアの案内はがきをいただいていますが、今年は遠征中なので行けません。屋久島へ行く予定です。顛末はまた帰ってから載せます。アオタテハモドキの幼虫がいるので、今日は餌取りに行ってきました。オオバコをプラカップに挿して大量に供給しておきました。

ホシチャバネセセリ飼育のまとめ

想定外で卵採集が出来たホシチャバネセセリ。順調に生育しています。ミヤマアブラススキが少なくなったので、オオアブラススキの柔らかい葉(株の真ん中から顔を出している一番小さな葉)を与えて飼育中です。昨年は母蝶採卵しましたが、卵を産ませるにはやはりミヤマアブラススキが要ります。飼育記録(昨年の母蝶採卵での結果ですが)を纏めておきます。8/24産卵、9/1孵化 卵期 8日。10/5蛹化 幼虫期 34日。10/12羽化 蛹期7日。小松市産 第3化の記録です。今年の最速は幼虫期 27日、なので、食の進み具合や気温によって幼虫の期間は1週間は、ずれるようです。脱皮回数は不明。ミヤマアブラススキを一番好んで摂食しますが、アシボソで代用できました。

     ホシチャバネセセリの卵
     ホシチャバネセセリ初齢
     巣から出た4齢?幼虫
     ホシチャバネセセリ蛹