道具の手入れ

今日は継ぎ竿とネットの手入れ。継ぎ竿は5m、7m、10mの3種類と金属2段のアルミ伸縮棒(かつての蝶研出版の鬼シバ棒)を使っています。昨年折れた竿はないので、修理は不要ですが、継ぎ口が欠けた竿があったので、アルミテープで補強しました(写真)。継ぎ竿とネットの枠のメーカーは以前書いたことがあるので、今回はネットについて。ネットの口径はほとんど50cmで、青、赤は志賀昆虫社のナイロンネットを使っています。白はBug Dorm社製、六本脚のネット販売で購入します。白は普段使いで、破れにくいので気に入っています。ただBug Dormの網は固めなので、小さい蝶の時は志賀製にします。青はギフチョウ用ですが、その他にも網に寄ってくる蝶がいます。トラップとして使える色の一覧。

ギフチョウ、ヒメギフチョウ、タカネキマダラセセリ
ヒメギフチョウ、ウラゴマダラシジミ、アオバセセリ
ミヤマカラスアゲハ、ツマベニチョウ、クモマツマキチョウ
ミカドアゲハ

ヒメギフは青も使えますが白の方が有効。ウラゴマとアオバセセリの白は小さく丸めたティッシュペーパーくらいの大きさが良いようです。ミカドアゲハの緑はおーいお茶のラベルに近い色でないと寄ってきません。上の表以外にも使える色-蝶の組み合わせがあります。

  志賀製ネットと2~4段目を補強した継ぎ竿

イワカワシジミ羽化

秋にオークションで卵を入手したイワカワシジミ。最後の蛹が羽化しました。低温期の白斑が広い個体を期待したのですが、年内から羽化し始め、昨日で終わった羽化個体は、少しだけの白斑にとどまりました。寒くて死ぬのを避けるため、ずっと室内で飼育したので、白斑の広い低温期型にするには、もっと低温にさらす必要があったのでしょう。でも逆に室内飼育しても、この時期なら少し白斑が出ることがわかりました。室温は最低でも14,5℃くらいあったので、今度飼育するときは12℃の恒温槽を使ってみましょう。その前に3月に奄美で冬越しした蛹が採集できるとうれしいのですが。

     頭も緑色

新年の即売会

昆虫展示即売会の案内葉書をいただきました。1月28日、場所はいつもの小原流ホールです。売り上げの一部が義援金として能登半島地震の被災者の方々に送られるそうです。標本展示即売会は蝶の標本はこの頃甲虫に押され気味ですが、この時期にはゼフの越冬卵が出ていたりするので、私的には必見です。末尾の手書きの部分も待ち遠しい。

今年の初出動

少し暖かいとの予報。積雪の心配が無い淡路島に行ってきました。北部でウラゴマダラシジミの卵を探しました。毎年行っているので、それなりに卵は見つかりました。でも少ないようです。以前卵が付いていたイボタで、今年はナシがいくつもありました。10年くらい前の多かったときの幻想から抜け出せていないだけかも知れません。かなり新葉が伸びたイボタがありました(写真2)。農地ではオオイヌノフグリが咲いていました(写真3)。季節の進み具合が早すぎるような。

2024年 飼育のスタート

近くの公園脇のカンヒザクラの花芽がだいぶ膨らんできました(写真1)。1週間ほど前よりも緑色が増えました。いつもより少し早めですが、メスアカミドリシジミの卵を冷蔵庫から出して、今年の飼育をスタートしました。まず、適当な大きさに切った透明なプラスチックシートに卵を貼り付けます。卵は産付された枝からなるべく小さく切り出し、水性ボンドでシートに貼ります。画用紙を敷いたシャーレに、シートごと卵を入れて完成(写真2)。枝から卵を外すときに。卵だけ取ろうとすると、ピンッと跳ねてロストしてしまうことがあるので、少しだけ木の皮をつけて切り外します。シートに貼るときも表裏がわかりやすく、ピンセットでつまみやすくなります。シャーレに濡れた脱脂綿を入れて加湿し(ただしカビが生えないように)保管すると、メスアカの場合は1週間以内に孵化してきます。

今年の計画 2024-2

今年の採集計画の続きです。3月末に奄美から帰ったら、ギフチョウのシーズン。クジャクギフやコヅメアカオビは毎年目標に挙げていますが、成就していないので、そのままスライドして組み込みます。ポイントを知っているとか、採集場所のイメージがある目的地は行程を決めれば計画ができあがります。ただ、どこへ行くにしても新しいポイントを開拓する探索計画を入れることが、一番の楽しみです。全く新しい産地、というのは難易度が高すぎるので、自身にとっての新産地になります。参考にする産地はもっぱらネットの情報を探します。昨年、亡くなられてしまいましたが、てふや(柿澤さん)のブログは種によっては非常に参考になります。例えば、新潟のチョウセンアカシジミの産地として、『見附市杉沢町杉沢に三ヶ所。 長岡市楡原、文納、下塩寺前、上塩に七ヶ所、塩新町に二ヶ所、塩中、栃尾島田、山椒谷、寺泊、寺泊白岩、三条市笠掘、牛野尾、鹿峠、鹿峠中央、長嶺、東大崎など』と載せてあります。山椒谷はたぶん山葵谷の間違いかと思います。時々誤植はありますが、柿澤さんの経験に基づく情報なので非常に確か。毎年1号ずつ発刊されていた採集・観察マップ(写真)はポイントそのものが判りますが、地図の精度がイマイチなので注意が必要です。ブログやマップの巻末に載っている蝶の習性についての記事を、自分の経験と照らし合わせて統合すると、採集の腕が上がると思います。

春のきざし

冷蔵庫の野菜室で保管している越冬卵。取り出してカビが生えていないかチェックしました。一緒に入っている蛹も確認したところ、クモマツマキチョウの蛹でオレンジがかっているのがありました(写真1)。冷蔵庫の中で羽化の準備が進んだようです。野菜室の温度計は5~6℃ですが、お正月前後は開閉が多かったので温度がもっと上がったのでしょう。2月には室内へ出すつもりでしたが、羽化体制に入るのがちょっと早すぎ。普通はあと1週間ほどしたら、メスアカミドリシジミの卵を出すところから飼育スタートなのですが。メスアカが食べる公園横のカンヒザクラの花芽は順調に膨らみ始めています(写真2)。

今年の計画 2024

年初の恒例行事、今年の採集計画を。例年、春のギフチョウ採集から始まりますが、今年は3月末に奄美大島に行こうかと計画中です。目標はアマミカラスアゲハの♀。あわよくば、赤い弦月紋の発達した個体。奄美諸島亜種の特徴でもあり、きれいな♀が採りたくなりました。採れなくても、こうして計画している時が楽しいので。4月はギフチョウに行きますが、昨年、福井のギフチョウが激減していたのが気がかりです。杣山型は厳しい状況だと思います。青森の白いウスバシロチョウにも行きたいし、今年はチョウセンアカシジミは成虫採集に行ってみようか、北海道は6月。カラフトタカネキマダラセセリとカラフトヒョウモンの良いポイントには今のうちにもう一度行っておきたいし、6月下旬の奄美はどうしようか。夏のタカネキマダラセセリは登れる体力があるかなぁ。寒い間はあれこれ計画をぐるぐる頭の中で巡らせて、シーズンオフを過ごします。写真はNRC出版『珠玉の標本箱27』より、アマミカラスアゲハ第1化の♀。

ゆずりは 100号

季刊ゆずりは2024冬号が届きました。100号記念増大号です。古参のメンバーから若手まで皆さんが寄稿されています。特集記事があるのですが、私の興味があるのは、石垣島でのナガサキアゲハと有尾雌の採集記録。今まで石垣島で散発的に採集されている個体は迷蝶扱いですが、今回は雌雄とも新鮮個体。石垣で有尾のナガサキアゲハが定着してくれるといいなぁ。あと石垣でシロモンクロシジミが採れてます。これは未採集種なので発生が続けば、ちょっと行ってみたい。ゆずりはクラブ298号には1月28日、大阪小原流ホールで開催される展示即売会と2月4日のゆずりはの集いの案内が載ってます。

2024年(令和6年)元旦

ブログを始めて9年目に入りました。2024年第一弾はイワカワシジミ。11月に飼育して、蛹越冬で低温期型が羽化するのを期待したのですが、蛹で冬をこすことなく、そのまま羽化しちゃいました。写真1は翅の裏面しか写っていませんが、翅表に白斑はなく、普通の型です。低温型にならなかったのは、20℃を下回らないような室内においたせいかと思います。元旦なので、初詣に行ってきました。今年も一家健康で過ごせますように。今年は何処へ行こうかな。